デジカメが一人に一台から一人に0.2台の時代に
かつて一人に一台と言われるまで所有率が増えていたデジタルカメラが、今では一人に0.2台まで落ち込んでしまいました。
最盛期の2010年(出荷台数 約1億台)と比較して今年2019年の販売台数は約0.2倍にまで減ってしまいました。
そんなデジタルカメラ不振のなかにあって、すべての種類が減っているのかというとそうではありません。
ミラーレス一眼デジタルカメラは今も微増しています。
デジタルカメラ製造各社はその市場に注力していくほか、ニッチ市場や新たな市場を作り出す必要があります。
デジカメ最盛期の2010年に出たスマホは何?
デジタルカメラの販売台数が最も多かった年、2010年に新発売されたスマートフォンが、iPhone 4です。
iPhoneが高精細なRetinaディスプレイを初めて搭載し、HDビデオ撮影に対応した年です。
背面カメラは500万画素になりコンパクトデジタルカメラと大差ない画素数になってきました。
iPhone日本初上陸のiPhone 3Gから2年が経過し、たくさん機種変更されました。
またiPhone 4からauでの販売も始まり、ガラケーからスマホへの乗り換え、iPhone普及に拍車をかけました。
あきらかにデジカメ減少しはじめた2013年に出たのがiPhone 5sです。
iPhoneは、iPhone 4sから背面カメラが800万画素、前面カメラが120万画素になり普段使いで十分に綺麗な写真が得られるようになっていました。
iPhone 5sが出た2013年はガラケーとスマホの所有率がついに逆転した年でもあります。
さらにiPhone 6sでカメラ機能は1200万/500万画素に進化します。
もうデジカメ普及モデルが不要なレベルまでスマホのカメラが進化してしました。
2015年のことです。
その時点でデジタルカメラは最盛期の半分の販売台数まで落ち込みました。
現代においてスマホの所有率が20代30代で9割以上となっていて、ほとんどの人が1000万画素以上のカメラを搭載したスマホを所有していることになります。
デジカメは一眼のままなの?
デジタルカメラの基本は一眼カメラです。
スマートフォンも長らく背面カメラは1つでしたが、iPhoneの普及モデルであるiPhone 11も背面カメラが2つに増えました。
Android OS搭載のスマートフォンにいたっては、トリプルカメラやクアッドを通り越して、オクタ(5眼)まで登場してきました。
デジタルカメラの長所を「大きなレンズと大きなセンサーを搭載!」といくら謳っても、一般的な消費者の購買意欲に響いていません。
ほとんどの人が「スマホの画面上で写真を見ている」という事実と、デジカメとスマホのカメラの有意差を感じられない事実を受け止める必要があります。
スマートフォンは多眼カメラ搭載、AI搭載、歪み補正、ポートレートモード、ナイトモードなどタブーなく挑戦してきています。
高価格帯やニッチ市場だけでなく、スマホユーザーがビックリするような新機軸のコンパクトデジタルカメラを期待したいですね。
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