オリガミペイがどう生き残るのか注視していました。
メルペイがOrigamiを吸収合併する道を選んだようです。
株式会社Origamiおよび株式会社メルペイは、メルペイによるOrigami全株式の取得によって、同社がメルカリグループに参画することについて両社間で基本合意いたしましたので、お知らせいたします。
※なお、本株式譲渡は、2020年2月25日を予定しております。#メルペイ https://t.co/D6c4ZmzYLR— メルペイ (@merpay_official) January 23, 2020
日本のコード決済を先行していたOrigami Pay
Origamiはまだ日本国内でコード決済サービスが根付いていない段階からコード決済サービス Origami Payを展開して注目を集めていたベンチャー企業です。
家電量販店やドラッグストア、百貨店が「銀聯カード(ギンレイカード)使えます」 「WeChat Pay・Alipay使えます」とだけ言ってたころにサービスを開始したコード決済の先行者でした。
PayPayの参入で市場が一変
ところが2018年末にQRコード決済サービスの後発でPayPayが参入してきたところからコード決済の市場が一変します。
PayPayが2018年12月に「100億円あげちゃうキャンペーン」を開始、連日テレビで家電量販店の賑わいやアクセス集中トラブルが取り上げられたりSNS上で話題になりました。
それに対抗してLINE Payなどが同様の大型還元キャンペーンを実施しました。
100億円単位のお金を使ってコード決済サービスの普及とシェア争いが勃発しました。
Origami Payはそんな急速な市場変化の波に乗り損ねました。
コード決済サービスは資金力とバックに控える潜在ユーザーの差が出た
PayPayはソフトバンクとヤフーが始めた会社です。
ソフトバンクグループは兆を超える売り上げがあるグループで資金力が豊富です。
ソフトバンクは大手携帯電話会社3社のうちの一社です。
ヤフー(Zホールディングス)は、ポータルサイトのYahoo! JAPANと携帯電話サービスのYahoo!モバイルを運営しています。
PayPayは資金力、膨大なユーザーを抱えるサービスが背後に存在しているわけです。
LINE Payは日本国内でメッセージングサービス最大手のLINEが始めたコード決済サービスです。
ご存知のとおりLINEは老若男女問わずほとんどの人がスマホに導入しているメッセージングアプリの一つです。
日本国内で8000万人以上の利用者を抱えています。
そのLINEアプリを使っている人にさまざまに宣伝できる強みがあります。
一方のOrigami Payはベンチャー企業です。
残念ながらバックボーンと資金力がそれらの企業みたいにありませんでした。
PayPayやLINE Payが繰り広げるバラマキの広告戦略や営業力に太刀打ちできず、コード決済市場の急激な拡大を自社サービスの利用者数と店舗数の伸びに活かすことが出来ませんでした。
ヤフーとLINEの合併統合が決定打
コード決済サービスは、広く大衆に広めることとシェア確保を最優先にして、ものすごい金額の広告費が使われました。
資金力があるPayPayなどが利用者還元と加盟店側手数料無料などの施策でアプリ利用者と加盟店数の大幅増を達成しました。
結果としてPayPayが1年で約1900万人の利用者を集めてトップの63.8%、以下LINE Payが29.6%、楽天Pay 28.8%、d支払い 19.7%、メルペイ 18.5%、auペイ 8.0%、ファミペイ 7.6%、その他QRコード決済 6.1%と利用者シェアが出ました。
Origami Payは先行者でしたが残念ながらその他QRコード決済の中に含まれてしまう形になってしまいました。
そこに追い打ちをかけた決定打がヤフー(Zホールディングス)とLINEの経営統合です。
コード決済サービスの1位と2位のシェアを持つ企業同士がくっついてしまうという事実上のコード決済シェア争奪戦の終焉です。
こうなってしまうとコード決済サービスが乱立する中に埋もれてしまったOrigamiの取れる選択肢は残り少なくなっていました。
そこに発表されたのが今回の
株式会社Origamiおよび株式会社メルペイは、メルペイによるOrigami全株式の取得によって、同社がメルカリグループに参画することについて両社間で基本合意
というわけです。
コード決済サービスには、通信キャリア系の決済サービスや、コンビニ、金融サービスなどが展開するサービスがまだ多数あります。
今後も、資金と営業力、宣伝できる利用者数が劣るところは合併したり吸収されたりしていくしか生き残る道はないでしょう。
コード決済も決してキャッシュレス決済の最終打というわけではありません。
今回のコード決済の争いは日本国内市場の話であって世界規模となるとまた話が違って大きな市場を持つ中国などが先行しています。
ワイヤレス決済や顔認証決済などこれから先にまだキャッシュレス決済市場が大きく変貌していく可能性があります。