FX自動売買は日本を除く世界で主流です。近年やっと日本でも一部のトレーダーだけでなく、投資初心者を含め幅広い投資家が取り組むようになってきました。
金融業者各社でもその波に乗りいろいろなシステムトレード自動売買サービスを開発、提供するようになってきています。
FXの自動売買とは?
FXは外国為替証拠金取引のことで、証拠金を金融業者の口座を預けて、差金決済による通貨売買の取引をします。
FXは、Foreign eXchangeの略です。
数倍のレバレッジ(担保となる証拠金(保証金)の何倍もの金額を取引することができる仕組み)で売買の注文をするので、手持ち資産以上の取引が行なえ利益を得られることが特徴です。
外貨預金だと、手持ち資金と同じ額までしか外貨の取引を行なえないのと異なります。
FXを行なうとき、大きく分けて2つの方法があります。
ひとつは裁量、もうひとつが自動売買です。
裁量は相場の動きを人間が判断して、手動で通貨の売買取引する方法です。
人力で行なう取引方法です。
それに対して、自動売買は、プログラムやツールを用いてFXのトレードを自動的に行ないます。
自動売買システムの3つのメリット
FX取引を裁量取引でなく、自動売買で行なうことに、いくつかのメリットが存在します。
精神的なメリット
FX売買は、証拠金の数倍の取引を行ないます。
そのため、利益も損失も掛けたレバレッジぶんだけ、数倍大きくなります。
それを人力の裁量取引で行なおうとすると、投資家、とくに初心者ほど毎日ドキドキ、ハラハラします。
通貨の価格の上下に一喜一憂して心臓によくありません。
また裁量で取引するためには、ずっとパソコンやスマホの画面に張り付いていないと取引をすることが出来ません。
FX自動売買はそういった精神的なストレスから解放してくれます。
自動売買のストラテジーに基づいて、自動的に取引が行なわれるため、人間の感情が入り込みません。
不安定な精神から間違った判断や取引に手を出してしまう恐れもFX自動売買にありません。
ツールやプログラムに組み込まれたストラテジーに沿って淡々と取引が実行されます。
時間的なメリット
先に少し書きましたが、裁量でFX取引するためには、パソコンやスマホの画面をずっとにらめっこして、市場に参加するチャンスを逃さないようにしなければいけません。
また利益がもっとも出ている局面でFX取引を決済する(売買を終了する)ためにも張り付いて相場を見張っている必要があります。
それに対して、FX自動売買は、ツールやプログラムが売買するタイミングから、最終的に決済するタイミングまで、自動的に判断してくれます。
その結果、FX取引に時間をさく必要が、FX自動売買にはありません。
起きている時間はもちろん、寝ている時間の間にも自動的に取引を行なえます。
飛行機に乗っているときや、携帯電話の電波が通じない状況に居ても、FX自動売買なら影響されず取引が実行できます。
技術的なメリット
FXや株式市場では単純に売る、買うだけでなく、いろいろな情報を元にして売買するか、決済するか判断する必要があります。
これを人力で行なう場合、トレンドやオシレーターなど取引を判断するための指標を何らかの手段で入手したり、自ら計算しなければなりません。
これはいろいろある指標をよく理解できていないFX取引の初心者にかなり大変なことです。
一方のFXの自動売買はというと、パソコンやスマホで取引を行なえるということは、トレンドやオシレーターなどの指標も全部パソコンやスマホに任せることが可能なのです。
刻一刻と変化するFX取引のトレードに必要な各種の情報をツールやプログラムが瞬時に自動的に計算されます。
FX相場を見ていない時間の間の指標もすべて自動的に計算されます。
自動売買システムのデメリット
今度はFX自動売買のデメリットについて見ていきます。
精神的にも時間的にも技術的にメリットが多いFX自動売買にもデメリットや弱点があります。
それを理解したうえで賢くFX自動売買を取り入れることが大事です。
自動売買アルゴリズム(EA、ストラテジー)は万能ではない
FX自動売買というと「楽して遊んでいるうちに勝手に金儲け」みたいなイメージを持たれている面があります。
たしかに、裁量取引のようにFXの相場をずっとにらめっこする必要はありません。
もし万能な、あらゆる状況や場面に対応できるFX取引手法があれば、書店にいろいろな手法のFX本が並んでいるはずがありません。
万事に万能なFX手法は存在しないのです。
逆に言えば、いろいろな考え方や手法があるから売買取引が成立しています。
百人いたら百の考えかたや手法があるおかげです。
もし、たった1種類しか取引の考え方がなかったら、全員が同じ取引をしようとするわけです。
そうなったら、そもそも売買が成立しません。
買おうとするとき、だれも売ってくれません。
売ろうとするとき、だれも買ってくれません。
FX取引が成立しているのは、さまざまな考え、手法が存在するおかげです。
たった一つの万能なストラテジーなんて、ただ妄想。存在しません。
自動売買アルゴリズム(EA、ストラテジー)も永遠ではない
“A”というFX自動売買の手法があったとします。
「Aが儲かる」と聞きつけた人たちがいっせいに”A”のFX自動売買に群がってきます。
これは、株式の投資信託で「○○投信が利益が出ている」とランキングが出たら、急に資金がたくさん流入することに似ています。
もし”A”が大人気になったら?
FX自動売買の場合はそれが多く導入されると、たくさん動いている同じFX自動売買ツールがまったく同じ時刻に同じ注文や決済をしようとすることが起こるようになります。
それは相場が不都合な方向に動いてしまう事態につながります。
広まるにつれてじょじょに利益が当初ほどに出なくなってしまう現象が起こります。
そして、最強のFX自動売買”A”は時間経過と共に最強の座をほかの”B”に譲ることになります。
それとは別に、環境の変化により、ツールやプログラムに組み込まれたストラテジーが通用しなくなることがあります。
これまで大きな環境変化がありました。
・パソコンが登場し、各種の指標をパソコンで早く計算できるようになったとき
・インターネットが普及し、取引が電話注文からネット注文取引に代わったとき
・コンピューターの能力が上昇し、超高速取引が出来るようになったとき
その時点で過去の取引手法がうまく働かなくなったり、通用しない事態になりました。
実際、2010年ころを境に、2010年以前と、2010年以降ではまったくと言っていいくらいに相場の動きが変化しました。
2010年以前の手法は2010年以降では通用しづらいのです。
FX自動売買も時代の変化に合わせて、ストラテジーをブラッシュアップしていかなければなりません。
一度手にしたFX自動売買が、ずっとアップデートされないままで永遠に通用するわけではありません。
ファンダメンタルズに弱い
FX自動売買は機械的に売買や決済を判断します。
不確実な出来事に弱いのです。
世界各国の新しい経済政策や、専門家の予想と異なった経済指標が出たとき、政府や重要人物の不注意な発言、政治的な対立構造の変化、災害やテロ、戦争など地政学リスクなどです。
ストラテジーに組み込まれていない不都合な状況になったとき、どう対処できるか、それぞれのFX自動売買に依ります。
うまく立ち回れるFX自動売買ツールもあれば、まったく悲惨な結果をまねいて証拠金を大きく減らしてしまうプログラムもあります。
これはFX自動売買だけでなく裁量も含めての話ですが、もっとも最悪な状況は、ポジションを持っているときに大きな変化が起きて、取引したくても取引が成立しない局面になったとき、FX自動売買は意図した取引が出来なくなってしまいます。
発表日や会見実施など、大きく動く可能性を事前に予測できるとき、裁量で休めるように、FX自動売買を停止させることはもちろん可能です。
システムトレード自動売買で使う専門用語
FX自動売買のシステムトレードで出てくる専門的な用語について解説します。
FX自動売買、システムトレードのツールやプログラムを評価するときに、一般的に使われる指標になります。
自動売買アルゴリズム
FX自動売買は、内部であらかじめ組み込まれたストラテジーで自動売買のアルゴリズムが動作しています。
どのような方法論で売買や決済されるかを詳細に明かされているもの、まったく明かされていないFX自動売買もあります。
アルゴリズムを知れば、自らのトレードスタイルに合う、合わないの判断が出来ます。
通貨ペアや使う時間軸、ナンピンありなし、マーチンゲールかどうか、両建ての有無など。
勝率
FX自動売買は、買い注文の勝率、売り注文の勝率が示されることが通常です。
プロフィット・ファクター(PF)
プロフィットとは利益のことです。
元の証拠金が、FX自動売買によって何倍に増えたかの情報です。
最大ドローダウン(最大DD)
FX自動売買は一直線に証拠金が増えていくことは極めてまれです。
勝ったり負けたりしながらじょじょに増えていきます。
その過程で、ファンダメンタルズなど、ストラテジーの思い通りに相場が動かない局面などで負けが込むときがあり、証拠金を大きく減らすときがあります。
ドローダウンが10%の場合、100万円から10万円減って、90万円になることがあるということです。
トレード回数(取引回数)
まれにしか動作しないようなFX自動売買の場合、成績は評価することが難しいです。
自動トレードの取引回数が100回~200回をこえる取引がFX自動売買によって行なわれれば、評価できるようになってきます。
平均損益比(ペイオフレシオ)
平均損益比とは、勝ちトレードの平均利益額が負けトレードの平均損失額の何倍かを表す指標です。
平均保有期間
売買注文から決済するまでのポジション保有時間の平均です。
スキャルピングなのか、スイングトレードなのか、アホールドなの、この時間をみればFX自動売買のおおよその取引スタイルがわかります。
FX自動売買なら国内FX? 海外FX?
FX自動売買をやってみたいときに選び方で迷うのが、国内FXか、海外FXかの選択です。
国内FXで行なうFX自動売買なら、
- 約20%の分離課税なので基本的に確定申告不要
- 日本の金融庁に登録されている
- レバレッジの制限は25倍
- FX会社によってスキャルピング規制が厳しい
- 損失が止まらず膨大な追証が発生してしまう可能性あり
という特徴があります。
海外FXで行なうFX自動売買のほうは、
- 毎年の確定申告する必要あり
- 海外の国で登録されている
- レバレッジは400倍~888倍と大きく取れる
- スキャルピング規制なし
- ゼロカット保証あり
- 日本語サポートあり
という特徴です。
一番にレバレッジの違い。
日本も以前は高いレバレッジでFX取引を行なえましたが、今は25倍に下げられてます。
少ない資金で大きく狙いたい人には海外FXが合ってるかなと思います。
そこにゼロカット保証があるのは大きいです。
ゼロカット保証とは、ロスカットが間に合わず口座残高がマイナスになってしまった場合、その損失分をFX業者が負担して口座残高をゼロにリセットしてくれることです。
一方の国内FXは、マイナスになった場合しっかりマイナス分が請求されます。
国内FXでFX自動売買した際に、1分以内で完了する取引を1日に何度も実行すると警告される場合があります。短期利益を狙う自動売買システムを稼働させづらい面があります。
国内FXと海外FXのそれぞれにメリットとデメリットがあるので、上手く使い分ければ良いでしょう。
最後に、国内FXは自分で探せても海外FXがよくわからない初心者向けに代表的な海外FXを2社オススメしておきますね。
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