格安SIMや格安スマホの通信速度が遅いと思ってる人がいます。
通信速度について事実な部分と誤解な部分があります。
実は格安SIMでなく大手キャリアでも遅いときは遅いというお話しです。
格安SIMの通信速度を誤解してるかも
格安SIMに乗り換えない人に理由を聞くと「通信速度が遅いから」という回答が一定数あります。
携帯電話のデータ通信速度が遅いと感じる場合にはいくつかの理由があります。
通信速度の遅さが格安SIMのせいによるものとそうでないものがあります。

インターネットのコンテンツのサーバーが遅い
インターネットのコンテンツのサーバーが遅いせいで、ブラウザやゲームの反応が遅い場合があります。
ウェブサイトやゲームのコンテンツを運営している会社が、サーバーに割いているコストと利用者数が釣り合っていないときや、TVで取り上げられてバズったときなどに遅くなります。
格安SIMを使っているかどうかに関係なく、サーバーが遅いと利用者みんな同じように遅くなります。
スマートフォンの動作が遅い
ゲームやブラウザを使用していて反応が遅いときがあります。
まず第一に先に挙げたインターネットのコンテンツサーバーが遅いせいが考えられます。
次に利用しているスマートフォンの動作が遅いせいが考えられます。
スマートフォンの価格差は性能差
スマートフォンは価格が10万円を超えるような高級なスマートフォンから、1万円以下で購入できる価格の安いスマートフォンまでさまざまあります。
スマホの価格に差があれば、スマホの性能に差が出るのは当たりです。
高級な機種は最高のCPU(電子頭脳)を内蔵しているのに比べて、低価格のスマートフォンは一世代前や低性能のCPUを用いています。それが価格にあらわれます。
同じインターネットのコンテンツを利用しても、内蔵CPUに差がある高級スマートフォンと中級スマホ、入門機では体感する速さに差が出ます。
これは通信キャリアの問題でなく、スマートフォン自体の性能による差です。
同じ価格でも旧機種と新機種には性能差
CPUは年々常に進化しています。
同じ販売価格であっても、2年前のスマートフォンと最新の機種では性能に差が出ます。
最新機種よりも2年前の機種は遅く感じます。
通信速度でなくアプリの動作速度が遅い
同じスマートフォンで同じアプリを利用していても遅いとき速いときがあります。
アプリのアップデートに問題があったせいで、アプリの動作が遅くなる場合があります。
またスマートフォンで同時に動かしているアプリが多すぎて、アプリの動作が遅くなっていることがあります。必要のないアプリは随時終了させます。
ブラウザで山ほどのタブを開いているときも動作が遅くなります。不要なタブを閉じれば動作が速くなります。
通信速度でなくスマーフォンの動作が遅くなっている
スマートフォンは通常長きにわたって電源が入ったままの状態にあります。
長く電源が入ったままだと徐々に内部の記憶領域にゴミが貯まってきたり動作プロセスが増えているせいで、スマートフォンの動作が遅くなってしまうことがあります。
「スマートフォンを1日1回再起動しよう」というのはかなり古い情報です。
今どきのスマートフォンは内部で定期的にクリーンアップ動作があり、遅くなる原因を排除する仕組みが自動的に動いています。
そのおかげで現在のスマートフォンはひと月以上問題なく動作します。
スマートフォンの再起動(電源の入れ直し)は1週間に1回で十分です。
それ以外にとても遅く感じる場合にスマホの再起動を行なってください。
再起動することで問題解決することもあります。
ほとんどのスマートフォン機種では再起動を電源ボタンの長押しで行なえます。
またバッテリーが少ないときスマートフォンは通常節電や省電力モードで動作して遅くなります。
長く使用している端末はバッテリー自体の性能も低下します。バッテリー交換すると見違えるように速くなる機種もあります。
大手キャリア格安SIM関係なく遅い
データ通信速度がNTTドコモやソフトバンク、auなどの大手通信キャリア、IIJmioや楽天モバイルなど格安SIMキャリアによらず遅い場合があります。
データ通信には混雑する時間帯がある
データ通信には混雑する時間帯があります。
オフィス街や繁華街、駅周辺においては、正午から午後6時までの時間帯がデータ通信が混み合って遅くなる時間帯です。
とくに昼12時直後がもっとも多くの人がスマートフォンを手にする時間で、大手格安キャリア関係なく通信に時間がかかります。
オフィス街や繁華街、駅周辺にある携帯電話の基地局、電波塔に同時にたくさんの人がアクセスすれば通信の順番待ち状態が発生して遅くなります。
住宅街では午後3時から午後9時の時間帯が混み合う時間帯です。
この通信渋滞をよる通信速度低下を避けるには携帯電波を介さず固定通信網からインターネットに接続することです。
無線LANを介してインターネットに接続するようにします。
屋外の公衆無線LANは、電波塔と同様に同時に多くの人が利用しようとするので、家庭やオフィスで利用する場合ほど速さを感じられないことがあります。
データ通信速度が遅くなるイベント時
大規模なイベントが行われて一か所にたくさんの人が集まるようなとき、データ通信速度が遅くなります。
携帯電話の基地局は通常状態のときに施設を無駄に遊ばせておくとコストがかかる一方なので、もっとも大人数になる場合を想定して設備を用意してあるわけではありません。
大規模イベントが行われれるとき、開始前や終了後、休憩時間などにデータ通信が集中して通信速度が低下します。
これは大手キャリアか格安SIMか関係ありません。
あらかじめ混雑が予測できる場合、移動式の携帯電話基地局が配備されることもあります。
通信速度が遅いのは格安SIMのせい
同じ電波塔や基地局のところにたくさんの人がアクセスしたとき、NTTドコモやソフトバンク、au、格安SIM関係なく、電波の順番待ちになります。
これは地域差により差が出ます。
オフィス街や繁華街、駅周辺、会場にいる人数によるので、大都市のほうで頻繁にデータ通信速度が低速になる時間が発生しがちです。
一方、携帯電話の基地局から交換局の先になると、各携帯電話会社ごとに別々の回線に通信が流れます。
この部分の回線の太さも通信速度に影響を与えます。
ここははっきり大手通信キャリアのほうが格安SIMキャリアよりも太い回線を用意してあり、大手通信キャリアほうがデータ通信速度が出る部分です。
利用者の数が多く月額の料金が高い大手通信キャリアのほうが格安SIMキャリアよりも設備投資に費用をかけることが出来ます。
交換局の先のデータ通信順番待ちは格安SIMキャリアのほうが発生します。
格安SIMキャリアもその部分の回線を常に増強しています。もし増強されていないなら利用者数の増加にともなってどんどん通信速度が落ちる一方って話になります。
そうならずある程度のところで通信速度の低下が止まっているのは、常に設備投資されているからです。
この設備投資のタイミングは格安SIMキャリアごとに異なります。
たとえばIIJmioでは月に3回増強作業を行なっているということです。
交換局の先の部分は、大都市か地方か関係なく全国で2カ所の設備に通信が集まるので全国均一の通信速度になります。
まとめ
データ通信速度が遅いのにはさまざまな理由があります。
コンテンツのサーバーやスマートフォン、アプリによる遅さは、格安SIMキャリアかどうかに関係ありません。
みんなが通信する時間帯のデータ通信速度の低下は
- 電波塔や基地局の部分の混み具合は格安SIMかどうかに関係なく発生し地域差がある
- 交換局の先の混み具合はキャリアにより差があって地域差ではない
となります。
本当の意味で格安SIMの通信速度が遅いといっていい部分は、2.交換局の先の回線部分ということです。
それ以外の理由は、ほかのキャリアでも発生している濡れ衣だったわけです。