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6Kで撮影する映画

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最近、動画が6Kで撮影されることが増えてきています。

4Kや8Kに比べて馴染みの薄い6Kって何かを解説します。

6Kで撮影する映画

映画や動画が6Kで撮影されるようになってきています。

フルHD(2K)とは

HDとは、高精細度ビデオのことです。

ハイビジョンとも呼ばれています。

フルHDは、横1920 × 縦1080 画素になります。

画素は1つの点のことで、ドットとかピクセルと表現されることがあります。

画面は、その画素の集まりで構成されています。

フルHDを2Kと表現することがあるのは、単位のK = 1000 であり(1kmは1000mですね)、1920が約2Kだからです。

4Kとは

4Kとは、横3840 × 縦2160 画素の解像度のことを言います。

フルHDと比較して、横が2倍、縦が2倍になっています。約800万画素にもなります。

4Kは、フルHDと面積比で4倍ということです。

2K同様に、3840が約4Kであることから、4Kと呼ばれています。

8Kとは

8Kは、横7680 × 縦4320 画素、約3300万画素というとてつもなく精細です。

7680が約8Kだから、8Kなんですね。

けっこう大雑把だなぁと思うかもしれません。

余談ですが、0と1の2進数が支配するコンピュータの世界では、10進数の1024(2の10乗)が1Kなんです。

6Kとは

6Kとは、4Kの約2.25倍高精細になり、画素数で4Kが約8Mに対して、6Kで約18Mと、10Mも増えるんです。

(Mはメガで、M = 1000000 です)

一例として、ジェームズ・キャメロン監督が「アバター」の続編を撮影ソニーのために採用した、業務用のソニー Veniceでは、

縦横比 (画素数) フレームレートp
6K 3:2 (6048×4032) 23.98p, 24p
6K 2.39:1 (6048×2530) 23.98p, 24p, 25p, 29.97p
6K 1.85:1 (6048×3270)  23.98p, 24p, 25p, 29.97p
6K 17:9 (6048×3190)  23.98p, 24p, 25p, 29.97p
5.7K 16:9 (5672×3190)

となっています。

8Kでなく6Kの理由は

TVが4K, 8Kならば、映画も8Kで撮影すればいいんじゃないの?って普通に思いますよね?

そこにある理由は、フィルムへのこだわりと可搬性、コストなんです。

6Kでフィルムに追いつく

かつてフィルムで撮影していた映画人はフィルムにこだわります。

デジタル映像ではフィルムの味を出せないし、その域に到達していないという人がいます。

フルHDや4Kでは、色の再現性や深度という点ではたしかに及ばないところがありましたが、6Kになると人間の目ではほぼ同等だと言われています。

解像度という点では、35mmフィルムは約2000万画素に相当するという研究結果があります。

フルHDでは200万画素、4Kでも800万画素ですから、フィルムに達していないと人間の目が感じるのももっともかもしれません。

それに対して6Kは1800万画素ですから、ほぼ35mmフィルムと同等と言えます。

6Kでこだわりの域に到達できて、8Kだとオーバースペックになります。

8Kはコストとアクション撮影の問題がある

高品質な映像を得たい場合には光を集めるところが大きなセンサーになり、大きな本体、大きなレンズになってしまいます。

大きなセンサーやレンズを作るためには高コストになり、機器の値段がとても高価になります。

大きな機器になるということはとても重く、スタジオや競技場で固定して定点で撮影するのでなく、ダイナミックに移動するようなアクション撮影には向きません。

このように、残念ながら8Kでの撮影は実用面の問題があります。

センサーを高速スキャンするには高性能なコンピュータが必要

映像は、センサーに入力された情報を1つ1つスキャンして1つの画像になります。

フルHDなら200万個、4Kなら800万個の情報を集めて初めて1つの画像になるわけです。

動画となれば、超高速にスキャンする必要があるわけです。

劇場で上映されるフィルムは1秒間に24コマです。

1秒に24回や30回、センサー全面をスキャンできる高性能さが求められます。

これが8Kとなると約3300万個です。4Kのさらに4倍の高性能さが必要なため、ものすごい処理能力が求められ、たいへん高価になってしまうのです。

実際、8Kでは理論上は120p出来る仕組みになっていますが、そのフルスペックと言われる120pの12bit階調を処理する能力、記録する能力、再生する能力を、量産するには難しく、価格も馬鹿高くなるのが実情です。

8Kの動画配信となると、Liveと謳っていても実際には数秒遅れの映像を見ることになります。データを圧縮、配信、復元するには時間がかかるためです。また8Kの映像を受信するためにはとても速い回線が必要になります。

こだわる映画人は、元の映像と違ってしまう高い圧縮レートをいやがります。8Kで実用を求めると、かなりの圧縮率になります。

現時点で、こだわりと生産性、価格面の折り合いを付けたところが6Kであるとも言えます。

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